1969年8月8日午前10時

ニュースを観ていたら「Abbey Road」のお祭り騒ぎが。そうか、あのジャケットの撮影が40年前だったんですね。

40年前の午前10時はこんなに静かだったのに、今では世界中のロック・ファンが大挙して押し掛ける、屈指の観光スポットとなりました。
私も25年ほど前に行きましたが、同じ構図で撮影するのは脚立が必要だし、車が走る道路のど真ん中でシャッターを押すのはかなり難しいのです。センターラインや横断歩道のデザインが違っていたことも思い出します。

後年知られるように、このフォトセッションでは6カットが撮影された訳ですが、ジャケットに使われる5番目のOKカット、この構図はあまりに完璧です。奇跡のタイミングとしかいえません。誰が考えてもそれ以外のカットは選ばないはずです。

Abbey Road Studioの前を行ったり来たりで3往復した訳ですが、使われたカットは「Abbey Road Studioから出て行く4人」。どっち側にスタジオがあったのかなんか、当時は知りませんでしたが、この方向がOKカットになったのも解散を予言していたかのようです。

Paulが裸足で右手にタバコを挟んでいるので、この直後に撮影されたのがOKになった5番目のカットなのではないでしょうか。この間、わずか10分間だったとのこと。

撮影後の午後2時30分、レコーディングされたのは「The End」のオーバーダビング。これまた運命の巡り合わせ。

「Abbey Road」、訳せば「寺院通り」。邦題にしなくてよかったですね(笑)。