ドキッとする音 Elton John「土曜の夜は僕の生きがい」 [5.1chサラウンド]
買っても買っても特別な新鮮さを感じないLP、CDが多いとはいえ、ドキッとする音に出会えることもある訳で、それはそれは嬉しい瞬間です。もちろん個人差があるのでしょうが、自分が気に入ればいい話です。
「土曜の夜は僕の生きがい(Saturday Night's Alright For Fighting)」
Elton Johnの代表作「Goodbye Yellow Brick Road」収録。
好きですが、長い。LPは二枚組で、聴きたい曲が飛び飛びだったのでちょっと厄介な名作でした。当時は日本盤を聴いていて、シングル曲(やはり日本盤)以外は較べるものが無く、平和な日々でした。
CDが発売される頃になり、EltonのCDも買い始めるのですが、飛び飛びの好みが影響してベストものが優先しました。「Goodbye Yellow Brick Road」に限らず、私にとってはLP全体が好きではなくシングル曲の方に遥かに興味があったので、ヒット曲を効率よく集めたベストの方が私には向いていた訳です。
最初の「Goodbye Yellow Brick Road」のCDは中古の安いのを買ったのですが、音の印象はよかった。CDのクリアな音に素直に聴き入ったと思うのですが、日本盤LPを聴き直すと、こんなに悪かったのかな?と感じるくらいこもって聴こえるのです。UK盤を手に入れて聴いてみてもスッキリしない音。デジタル化の恩恵かなぁと単純に感じるものの、それ以上にのめり込むことはありませんでした。
その後、再発売の例に漏れず、紙ジャケットやリマスターとか、何枚出たかは知りませんが続々発売されます。マニアの話を聞くと、発売の度に「Goodbye Yellow Brick Road」の音はよくなっていると言います。
次に私が買ったのは2004年、「Deluxe Edition」。SACD5.1chが発売された時です。
もちろん目的は5.1chサラウンドなのですが、それはそれとして、やっぱりLPともこれまで聴いていたCDとも違い過ぎる、ドキッとする音でした。
単純にいえば、ロックらしい音。いやロックンロールと言った方がいいかもしれない。
音が太い。楽器一つ一つがクッキリしていながら塊の音。しかしメインのヴォーカルが埋もれていない。静かな曲、バラードは繊細で美しい、しかし「土曜の夜は僕の生きがい」の騒々しさは何だ。
「土曜の夜は僕の生きがい」は、Eltonのヴォーカルとピアノに、ギターが二本、ベースとドラムという典型的な構成にシンセが部分的に重ねある程度で、最小限といってもいいシンプルな構成です。
とにかく騒々しい音。喧しい。
でもこれこそロックンロールの醍醐味であり、疾走感に溢れ、徹底的に煽ってくる音に思わず反応してしまいます。何となく忘れかけていたシンプルな音をガツーンとぶち込まれた感じがします。この「クリアな騒々しさ」は、他では聴けない音であり、誰もが聴いても「ドキッ」とするはずです。可能な限り大きな音を出せば、この上ない気分転換になるはずです。でもヘッドフォン、イヤフォンでは聴かない方がいいと思いますよ。
忘れそうになりますが、サラウンドの素晴らしさも特筆です。「土曜の夜は僕の生きがい」も5.1chでぶちかませば、2chとは較べられない、1ステップも2ステップも騒々しい世界へ引き込まれます。部屋全体が生演奏中のスタジオに変貌し、近所迷惑も甚だしい、自分だけの世界に浸れます。
「Goodbye Yellow Brick Road」はさまざまな曲調の曲が並んでいます。冒頭の「葬送」はシンフォニーのような荘厳な雰囲気の中で始まりますが、最初からサラウンド効果満載で「包まれる」というイメージがピッタリ。バラードである「Candle In The Wind」や「Goodbye Yellow Brick Road」はサラウンドでより繊細に、「Bennie And The Jets」のコンサートを模した音はリアルなコンサートへ確実にグレードアップし、各々の曲調に合わせたサラウンド効果が次々に続きます。
この5.1chはDVD-Audioでも発売されています。
すべて聴き較べたことが無いので軽々には言えませんが、「Goodbye Yellow Brick Road」はSACDの特性がよく出ていて、繊細さと豪放さの両面が素晴らしく、ロックにSACDは必ずしも必要ないかもしれないという私の妄想を払拭するものです。
これはLPジャケットの内側、三つ折りでしたから2/3の部分ですが、このスケール感はCDサイズでは味わえません。忘れ難い、捨て難い想い出があります。音は今一つとは言っても…。
「Deluxe Edition」はSACDですが、ハイブリッド版ですからCD音源も聴けます。2chも従来の音より向上していますから、SACDだからといって無視せず、手元に置いて損がない一枚(二枚組)だと思います。
刺激が欲しかったら、ガンガン鳴らしたかったら、「土曜の夜は僕の生きがい」です。
必ず「ドキッ」とする音が鳴り響くはずですよ。
これが私が好きなロックの音。
「土曜の夜は僕の生きがい(Saturday Night's Alright For Fighting)」
Elton Johnの代表作「Goodbye Yellow Brick Road」収録。
好きですが、長い。LPは二枚組で、聴きたい曲が飛び飛びだったのでちょっと厄介な名作でした。当時は日本盤を聴いていて、シングル曲(やはり日本盤)以外は較べるものが無く、平和な日々でした。
CDが発売される頃になり、EltonのCDも買い始めるのですが、飛び飛びの好みが影響してベストものが優先しました。「Goodbye Yellow Brick Road」に限らず、私にとってはLP全体が好きではなくシングル曲の方に遥かに興味があったので、ヒット曲を効率よく集めたベストの方が私には向いていた訳です。
最初の「Goodbye Yellow Brick Road」のCDは中古の安いのを買ったのですが、音の印象はよかった。CDのクリアな音に素直に聴き入ったと思うのですが、日本盤LPを聴き直すと、こんなに悪かったのかな?と感じるくらいこもって聴こえるのです。UK盤を手に入れて聴いてみてもスッキリしない音。デジタル化の恩恵かなぁと単純に感じるものの、それ以上にのめり込むことはありませんでした。
その後、再発売の例に漏れず、紙ジャケットやリマスターとか、何枚出たかは知りませんが続々発売されます。マニアの話を聞くと、発売の度に「Goodbye Yellow Brick Road」の音はよくなっていると言います。
次に私が買ったのは2004年、「Deluxe Edition」。SACD5.1chが発売された時です。
黄昏のレンガ路 (グッバイ・イエロー・ブリック・ロード) + 4 (デラックス・エディション)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
- 発売日: 2004/03/24
- メディア: CD
もちろん目的は5.1chサラウンドなのですが、それはそれとして、やっぱりLPともこれまで聴いていたCDとも違い過ぎる、ドキッとする音でした。
単純にいえば、ロックらしい音。いやロックンロールと言った方がいいかもしれない。
音が太い。楽器一つ一つがクッキリしていながら塊の音。しかしメインのヴォーカルが埋もれていない。静かな曲、バラードは繊細で美しい、しかし「土曜の夜は僕の生きがい」の騒々しさは何だ。
「土曜の夜は僕の生きがい」は、Eltonのヴォーカルとピアノに、ギターが二本、ベースとドラムという典型的な構成にシンセが部分的に重ねある程度で、最小限といってもいいシンプルな構成です。
とにかく騒々しい音。喧しい。
でもこれこそロックンロールの醍醐味であり、疾走感に溢れ、徹底的に煽ってくる音に思わず反応してしまいます。何となく忘れかけていたシンプルな音をガツーンとぶち込まれた感じがします。この「クリアな騒々しさ」は、他では聴けない音であり、誰もが聴いても「ドキッ」とするはずです。可能な限り大きな音を出せば、この上ない気分転換になるはずです。でもヘッドフォン、イヤフォンでは聴かない方がいいと思いますよ。
忘れそうになりますが、サラウンドの素晴らしさも特筆です。「土曜の夜は僕の生きがい」も5.1chでぶちかませば、2chとは較べられない、1ステップも2ステップも騒々しい世界へ引き込まれます。部屋全体が生演奏中のスタジオに変貌し、近所迷惑も甚だしい、自分だけの世界に浸れます。
「Goodbye Yellow Brick Road」はさまざまな曲調の曲が並んでいます。冒頭の「葬送」はシンフォニーのような荘厳な雰囲気の中で始まりますが、最初からサラウンド効果満載で「包まれる」というイメージがピッタリ。バラードである「Candle In The Wind」や「Goodbye Yellow Brick Road」はサラウンドでより繊細に、「Bennie And The Jets」のコンサートを模した音はリアルなコンサートへ確実にグレードアップし、各々の曲調に合わせたサラウンド効果が次々に続きます。
この5.1chはDVD-Audioでも発売されています。
Goodbye Yellow Brick Road (Ac3) (Dol)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: Island
- 発売日: 2004/04/27
- メディア: DVD Audio
すべて聴き較べたことが無いので軽々には言えませんが、「Goodbye Yellow Brick Road」はSACDの特性がよく出ていて、繊細さと豪放さの両面が素晴らしく、ロックにSACDは必ずしも必要ないかもしれないという私の妄想を払拭するものです。
これはLPジャケットの内側、三つ折りでしたから2/3の部分ですが、このスケール感はCDサイズでは味わえません。忘れ難い、捨て難い想い出があります。音は今一つとは言っても…。
「Deluxe Edition」はSACDですが、ハイブリッド版ですからCD音源も聴けます。2chも従来の音より向上していますから、SACDだからといって無視せず、手元に置いて損がない一枚(二枚組)だと思います。
刺激が欲しかったら、ガンガン鳴らしたかったら、「土曜の夜は僕の生きがい」です。
必ず「ドキッ」とする音が鳴り響くはずですよ。
これが私が好きなロックの音。
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