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「沈まぬ太陽」と日本航空 [映画]

日本航空とデルタ航空の提携。ここまで来たか。
何というタイミングか、日本航空としてはありがたくないであろう映画が来月封切。
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原作の小説の連載が始まった頃から話題となり、社会問題にまで発展したのが約10年前。その内容があまりにも刺激的で、山崎豊子は「フィクション」と譲りませんでしたが、どう見ても日航のお話。知られたくない内部事情やプライバシーまでが露にされてしまった感じでした。日航関係者だけではなく、政治家、マスコミ、御巣鷹山の関係者までが、名前を絶妙に変えて、取材に基づいた内容で登場します。もし、私が関係者だったらどうなのだろうか…。

今回の映画も、もちろん「全くのフィクション」。日航はもちろん、登場人物に実在のモデルがいるのにも関わらず、です。御巣鷹山のジャンボ墜落事故だけは「フィクション」の表現は出来ませんから、ドキュメンタリーとなります。この繋がりが小説の読者も「フィクション」と「ノンフィクション」の間で混乱するところだと思います。世紀の大惨事であり、犠牲者とその家族の方々の心情を察すると、これも「フィクション」でいいのか、複雑な気持ちです。

主人公・恩地元は、理想的なヒーローとして描かれます。彼の境遇には心底、同情します。彼にもモデルになった日航社員が実在していますが、都合のいい部分だけを並べて美化し、理想の会社員像を創り上げたのは正しく「フィクション」。もし事実通りの恩地元さんが存在していれば、これほど素晴らしい物語はないのですが。御巣鷹山は最大の見せ場ですが、実際の「恩地元さん」はこの事故とは無関係だったそうで、この強引な結びつけはやはり行き過ぎだったと思います。

それにしても日航には同情すら感じます。どこまでが事実なのか、部外者には分かりませんが、ひどい会社にしか思えませんからね。

しかし、部外者から見れば、こんな壮大な物語はありません。「映画」そのものには期待しています。小説同様、素直に楽しみたいです。何と休憩を挟み3時間22分。念を押しますが、映画はフィクションです。

さて、公開日の10月24日、日航はどうなっているのでしょうか。

それと「さまよう刃」。少し早く10月10日の公開。この東野圭吾作品も原作が秀逸。どちらも気になる映画です。
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コメント 1

ぷーちゃん

確かに、なんと言っていいのかの
タイミングですね。
by ぷーちゃん (2009-09-13 16:01) 

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