少年メリケンサック [映画]
これはおもしろい映画ですよ。絶対に観て損は無い、一本。
キャスティングがいい。
文句無く宮﨑あおいちゃんが弾けている。撮影は「篤姫」と全く同時の2008年春から初夏。全く違うキャラクターを日替わりで演じていたことになります。ちょっと異常なくらいの演技力ですよ。この撮影の前後では「上様」とか「滝山!」とかの台詞を発していたとは...ちょっと想像できません。
佐藤浩市は「誰も守ってくれない」の前後になるのでしょうが、これも全く違う役柄を演じております。役者さんは大変な仕事です。彼はベース担当ですが、その練習もやらなければならなかったのでしょうし。彼の存在感は大きいし、随所に出てくる決め台詞(内緒ですが、ホントにいい台詞)が作品の核をガッチリ固めております。他の配役も相当にこだわっていてハマっていますよ。
音楽がマジ。演奏が本気。
音楽が重要な要素である訳ですが、ギター、ベース、ドラムは相当練習を重ねているに違いありません。プログレとかジャズだったら無理だったかも(笑)。アフレコの部分もあるでしょうが、文句無く様になっています。アフレコで誤摩化そうという安直さは感じませんでした。ギター担当のキム兄こと木村祐一がLes PaulをMarshallに繋いでフィードバックをかませる所なんかカッコ良かった。ドラムもしっかり叩いていると思います。
笑える。文句なしに笑える。
宮藤官九郎の良さが良く出ている思います。くだらない台詞なのに笑いが止まらない所が何度も出てきます。テレビで放送できるのか?危ない台詞の連呼もありました。何度も何度も、です。一方でシリアスな台詞も少なくなく、内容を引き締めているのですよ。
でも最大の魅力は何と言っても宮﨑あおいちゃん。これに尽きます。「篤姫」の大ヒットで一躍人気者になっていますが、コメディエンヌとしての資質も見逃せませんよ。
彼女の次の作品は6月公開の「剱岳 点の記」になるのかな?
撮影は「少年メリケンサック」よりもちょっと前に始まり「篤姫」と三本同時進行で行われているんですが、またまた違う魅力を見せてくれることでしょう。
宮﨑あおいの女優道は、一本道ではないのです。
でも、やっぱり私、パンクロックは嫌い、です。
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