K-20 怪人二十面相・伝 [映画]
この映画を知ったのは、9月頃、偶然本屋の店頭で文庫本を見つけたからでした。
少し前から劇場の予告編も始まり、テレビスポットも目にするようになってきました。公開は12月20日の予定。
私の世代にとって江戸川乱歩作品は必読であり、小学校高学年の頃にブームがあり、ポプラ社「少年探偵団」シリーズを必死になって読んだものです。
しばらくして1971年頃、講談社だったか、新装された撰集(全10冊くらい)の発行があり、「少年探偵団」以外の乱歩作品に小学生が触れたのでした。これが凄かった! 大人の乱歩の世界が全開でオマケにイラスト満載、とても小学生が読むものではないと思うのですが、幸か不幸か、その世界に入り込んでしまった訳です。両親は「少年探偵団」しか知らなかったのでしょう、「乱歩の本が欲しい」といえばほぼ無条件で買ってくれたんですよね。手元に無いのが残念ですが、イラストのエロティックさとおどろおどろしさは忘れ難いものです。
画像を探してみたのですが、見つかりません。使われていたのはこんな感じのイラストなんですが、イラストレーターの名前が思い出せません。この「深夜放送ファン」も懐かしい雑誌です。
その後、1978年頃、講談社より全25巻の全集が刊行されました。
初めて自分のお金でそろえた「全集もの」です。欠点はイラストが少ないこと(笑)。今では書棚の飾りみたいなものですが、並べるとこのようにイラストが繋がるようになっています。
話を怪人二十面相に戻すと、映画化される「怪人二十面相・伝」というのは乱歩の作品ではなく、北村想が創作したもので、原作の事件に沿って二十面相側から見た乱歩作品をフォローする形態になっています。その裏取りがよくできていて、原作ではほとんど表現されなかった怪人二十面相の素顔が浮き彫りになります。乱歩の映画は当たり外れがはっきり出るのですが、予告編を観る限り、ちょっと脚色が加えられているようですが、期待が持てます。ただ、公開中の「レッド・クリフ」で諸葛孔明役を演じている金城武が主演で、この対比はなかなか不思議。俳優というのは難しいものです。
怪人二十面相・伝 PART2 (2) (小学館文庫 き 2-2)
- 作者: 北村 想
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/10/07
- メディア: 文庫
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