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偉大なるFrankはレコード会社も作った [その他]

Sinatraの業績は膨大な音楽作品や映画だけではなく、アーティスト自らレコード会社を作ったことも、もっともっと評価して欲しいものです。この手の話題ではThe BeatlesのAppleのことを持ち上げる場合が多いですが、SinatraのReprise(リプリーズ)は1961年の設立で、Appleより7年も早いのですよ。
Reprise_records.jpg
設立の目的はやはり自由な音楽活動で、それまでのCapitolとの考え方の違いがSinatraを動かしました。Sinatra一家のDean Martin、Sammy Davis Jr. を始め、 Arlo Guthrie、Neil Young、Joni Mitchell、Ry Cooder、Fleetwwod Macなどに加え、Kinks、Jimi Hendrix、T-Rex、Pentagleなどイギリスのアーティストを盛んにアメリカに紹介しています。

Frank Zappaも自身のレコード会社Bizarreを設立しました(ちなみにAppleとほぼ同時期)が、その配給をRepriseに委託したのは、二人のFrankを結びつけた不思議な巡り合わせでした。
Bizarre.jpg

SinatraはThe Beatlesなど、自分の地位を危うくする様な、いわゆるロック系を嫌っていたと言われるのですが、どうしてこれほど多くのロックアーティストがRepriseから発売されたのか???


それの理由は至って簡単で、設立から僅か2年後の1963年8月、Sinatraは自身の持ち株の三分の二をWarnerに売却してしまったのです。レコード会社経営に興味を失ったのがその理由だとか。余りにもあっけないですが、その代償として数百万ドルと映画の権利、Warnerの重役の地位を手に入れて、ビジネスとしては大成功でした。
r1001.jpg
これは記念すべきReprise第一号LP。Sinatraの作品だけは自分の顔写真入りのカスタムレーベルでした。さすがに自分の顔を通常レーベルに印刷させたのはSinatraくらいのものでしょう。誰も真似したくない(笑)。

さて、60年代の後半からのロックの発展の頃には、既にSinatraは経営の前線から退いていた訳ですが、設立時のRepriseの社長はSinatraがVerveから引き抜いたMo Ostin。後のWarnerの社長〜会長に就く実力者。そのOstinが引き入れ、A&Rマンとしてロック系に強かったLenny Waronker(彼はLibertyの創設者Simon Waronkerの息子でもある)の業績がRepriseを、そしてWarnerをロックのメジャーへと発展させました。Lenny WaronkerはMo Ostinの社長の座も引き継ぎます。

ご存知の通り、Warnerは買収と合併を繰り返しながら複雑に形態を変え現在に至っている訳ですが、Repriseの人脈が大きな影響力を持っていたことは意外に知られていないようです。

ね、Sinatraはこんなところでも音楽産業界に大きな影響を与えているのです。もしSinatraがRepriseを作っていなかったら、The BeatlesもAppleを作っていなかったかもしれない、と思っています。
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