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Jeff Beck『Blow By Blow』ギター殺人者の凱旋 [Jeff Beck]

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Jeff Beckの代表作『Blow By Blow』も邦題の凄さでは引けを取りません。どうしてこんな日本語になるのか、はたまたソニー担当者のセンスが優れていたのか、作品の素晴らしさも加わって話題に事欠きません。
現行のCDでは、「ブロウ・バイ・ブロウ」と原題に沿い、サブタイトルで「ギター殺人者の凱旋」が扱いを小さくしながら存在を続けていましたが、最近はとうとう消滅してしまっているようです。
1975年の6月頃だったと思いますが、リアルタイムでこれを買った私には忘れがたい邦題であり、アルバム2枚を作っては解散させていたJeffの経歴に絡めたと思しき邦題に大きな違和感はありませんでした。同世代の友人からも違和感を聞いたことは無かったはずです。どうしてこんな邦題なんだ、と話題になり出したのは発売から数年後だった様な気がします。

どうしてこんな邦題なったのか?


数年後、その理由は誤訳でもなければ、日本独自のアイデアではなかったことが分かりました。
blow.jpg
これは『Blow By Blow』発売時、アメリカの雑誌(おそらくCash Box誌)に掲載された告知広告です。ご覧の通り「The Return Of The Axe Murderer」というコピーがつけられていました。これを巧く日本語にすれば「ギター殺人者の凱旋」となるわけです。決して日本で勝手に考えられたものではなかったのです。初回LPの帯には小さく「Blow By Blow」の表記も残されていて決して無視はしていないものの、「Blow By Blow」をかっこいい邦題にしにくいので、コピーを邦題に使ったと考えるのが良さそうです。この邦題に好き嫌いはあると思いますが、ソニー担当者の勝手な創作でなかったことだけは理解できます。
ところでこの広告、ジャケット写真が裏焼きになってます。どうして間違えるのかなぁ?

Jeff Beckのこれ以前のEpic作品はSQ方式で4ch化され、日本盤も発売されましたが、『ギター殺人者の凱旋』と次作『Wired』の4chだけは日本発売がありませんでした。ちょうど日本では4chブームの終わりに当たったため発売が見送られたのでしょう。私がこの4chを知ったのは1990年代後半になってからです。存在を知ったときは心底驚きました。
現在では4chマスターをそのままSACDの5.1chにして発売されています。

Blow by Blow

Blow by Blow

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2001/07/31
  • メディア: CD


でも日本盤SACDの発売は2chのみで、ことごとくサラウンドの発売を拒否し続けています。どうしてかなぁ? SACDでも日本盤のように2chのみのものもあるので、もし買うときは気をつけてください。

さてそのサラウンドは、Jeffのギターの扱いが大きく異なります。多くのパートで前後の移動感を付けているので、SQ4chをそのまま2chで聴いてしまうとギターの音が途切れ途切れに聴こえてしまいます。互換性が無いと言っても過言ではありません。当然、高音質とは無縁の代物で、2chで聴くことを全く想定していないミックスになっています。

なお、SACDの2chパートは、4chのミックスダウンではなく、元々の2chミックスを使用しています。

私はこの邦題『ギター殺人者の凱旋』が好きです。『Blow By Blow』を訳してみてもピッタリ来る邦題が思いつきません。少なくともこの邦題だったことがJeffの知名度も上げ、売上にも貢献していたと思います。最近の作品では、原題とかけ離れたこんなインパクトのある邦題で発売されることは無いでしょう。おもしろくないですねぇ。
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