がんばれ!Porcupine Tree [5.1chサラウンド]
祝!グラミー賞ノミネート Fear Of A Blank Planet / Porcupine Tree
グラミー賞の発表にワクワクしなくなってしまったのはいつからだったのか...1990年代になると私の嗜好と興味とは全然違う傾向になってしまいました。つまり時代の流れに乗れなくなった、ということでしょう。音楽の多様化もどんどん進む訳ですが、それに対応するかの如く、グラミー賞の部門がどんどん増え、グラミー賞も時代の波に乗り遅れないように必死の様な感じもします。
私が再び興味を持ったのは、Jeff Beckの受賞(意外 笑)と「ベスト・サラウンド・サウンド・アルバム賞」の制定でした。2005年の第47回から始まり、それなりに興味を持って、ノミネートと結果をチェックしていますが、今回の第50回記念!のノミネートが昨年12月に発表されています。
http://www.grammy.com/GRAMMY_Awards/50th_show/list.aspx
「ベスト・サラウンド・サウンド・アルバム賞」はカテゴリー95、かなり下の方にあります。何か重要度が低い(笑)。ノミネート作品は以下の5作品です。
●At War With The Mystics 5.1 / The Flaming Lips
●Fear Of A Blank Planet / Porcupine Tree
●Grechaninov: Passion Week / Charles Bruffy, Kansas City Chorale & Phoenix Bach Choir
●Love / The Beatles
●Vaughan Williams: Symphony No. 5 / Robert Spano & Atlanta Symphony Orchestra
まだジャンル分けが無いので、毎年こんな感じでポップス/ロック系とクラシック系が混じります。
一般的な予想では、絶対的なネームバリューと話題性、完成度も高い『Love』に決まりだと思います。でも私としてはPorcupine Treeにとって欲しい、取らせたいと思うのです。でもまさかノミネートされるとは思ってもいませんでした。やっぱりレコード会社(今回からAtlantic)のパワーの違いでしょうか。
この5.1chがすばらしいのです。私の中では2007年で一番。
ただ、5.1chのDVD-Audioディスクは「初回特典扱い」で、現在では入手が難しくなっています。もったいないことです。悔しい!
たぶん、間違いなく、初めてのノミネートだと思いますし、1991年のデビューで、本国イギリスでは14枚のアルバムを発表しているとはいえ、メジャー契約ができなかったこともあり、アメリカでも日本でも知名度は高くはありません。この『Fear of a Blank Planet』はRobert Frippの参加もあり来日もあり、日本ではちょっと注目されたような気がします。私の回りでは全く評価が聞こえてきませんが...。ジャケットがちょっと怖いし(笑)。
彼らは非常に5.1chに熱心で、ここ最近の過去3作品はすべて5.1chのDVD-Audioをほぼ同時に発売し、それ以前の1作品も5.1chのDVD-Audioで新たに発売しています。既成概念にとらわれることの無い、空気感をサラウンドに展開する斬新なサウンドデザインは、轟音と静寂が交錯する世界に聴き手を迷い込ませ、2chでは絶対に感じることができない最上のサラウンド世界に引きずり込んで抜け出すことを許しません。
5.1chに真摯に取り組んでいる彼らですから、是非とも受賞させてあげたいなぁ、と祈っているこの頃です。
彼らの作品は、4chを知らない若い世代に薦めるのに最適です。もっと大勢の人に聴いてもらえることを願います。
私のお薦めは2ch通常盤は1999年発表の『Stupid Dream』。旧作をわざわざ5.1chミックスにやり直してまで発売した、彼らの心意気がひしひしと感じられる傑作です。
最後に、入手が難しい『Fear of a Blank Planet』のDVD-Audioなのですが、現在、彼らの公式ウェブで買うことができるようになっているようです。興味を持たれた方は問い合わせしてみてください。
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