坂の上の雲 第四回 [5.1chサラウンド]
いよいよ日清戦争が始まり、サラウンドの聴かせ所が増えてきました。
砲撃戦のサラウンドはなかなか派手でよろしい。テレビとしては文句の無い音でした。
おぉ!これは!
と感激したのは秋山真之が乗る「筑紫」が砲撃を受けたシーン。爆音で真之の耳が麻痺し、一瞬、聴こえなくなってしまいます。このサラウンドが素晴らしい。耳が聴こえない、麻痺した聴覚、混乱と恐怖。この感覚が見事なサラウンドとなっています。大音量ばかりがサラウンドではなく、こんな極限の静寂感を体現できるのがサラウンドの魅力でもあります。サラウンドが部分的なのは残念ですが、やるべき仕事はちゃんとやっておりました。
作品には歴史上の重要人物が多く登場しますが、秋山真之の一年先輩の海軍軍人、広瀬武夫はより重要な役割をもって描かれるようです。節目節目で登場し、今後の展開に丁寧に布石を打っています。
後年語り継がれる日露戦争で、軍神・広瀬中佐は戦前生まれの方には忘れられない名前のようです。旅順港閉塞作戦で戦死する彼のことは[ここ]で詳しいですが、海軍第一号の「軍神」として戦中教育に大きな影響を与えています。
子供の頃、母親からこんな歌を聴かされたことがあります。
轟く靴音 飛び来る弾丸
荒波あろうと 敵の上に
闇を貫く 勇者の叫び
次のは何処 次のはいつや
と私は聞き伝えで覚えさせられていたのですが…、
これが後々知った、明治45年(1912年)の尋常小学唱歌「広瀬中佐」。
歌詞が違ってます(笑)。私が聴き違えたのか、母親が間違えていたのか?
この戦死は日露戦争を描く時には必ず出てくる話で、この新東宝映画『明治天皇と日露大戦争』(1957)では宇津井健が広瀬中佐を演じています。
今回、広瀬武夫を演じているのは藤本隆宏。私は初めて聞く名前でしたが、彼は水泳のオリンピック代表だったんですね。[紹介記事]
バルセロナ五輪では400m個人メドレー8位という素晴らしい成績を出したものの、岩崎恭子の金メダルに話題が集中し、ほとんど目立たなかったそうです。
海軍の広瀬武夫を彼が演じるのにぴったりで、しかも福岡県出身で広瀬武夫(大分県出身)と同じ九州男児。第9回「広瀬、死す」は、来年放送分の最後の回で、大きな役割を背負っています。それまでにロシア留学、ロシア女性との恋など、折々に登場する「広瀬武夫」にも注目です。
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