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King Crimson『宮殿』ボックスを聴く [5.1chサラウンド]

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発送通知を貰っていましたが、早くも土曜日に到着。5.1ch音源は同じものなのでちょっと興味は薄く、聴くのは後回しにしていました。
ご覧の通り、LPサイズのボックスで、開けると4枚のケースに6枚のディスクが収められていました。並べるとジャケットと同じになる計算だったのでしょうが、ちょっと計算が違ったようで。
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こういう風に重ねないと元の通りににはなりません。
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ディスクも分割したデザインです。
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ディスクの下にはオリジナル・レーベルが再現。USモノwlpが登場。工場記号は「PR」で、通常盤も同じ。どうして「Presswell Recordsプレス」のが選ばれたのか?東海岸だからでしょうか?
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オマケのバッジ。小さいです。これにブックレット、LP様式の原寸ジャケット、EG用とAtlantic用のプレス用フォトの複製が付いています。

さて聴いてみたいのはUSモノとPink i の盤起こし。まずUSモノから聴き始めました。スクラッチノイズは残っています。ちょっと多めです。予想より大人しめの音でした。もう少し高音と低音を強調しているのかと思っていましたが、通常盤と同じ印象です。悪くはないですけど、何しろモノ。5.1chを聴いてしまった耳には物足りません。AMラジオ局用に作った業務用のミックスですから、The Beatlesのモノと意味が違います。一度聴いたので納得しました。もう聴くことはなさそうです。

次はFripp所有のものともう1枚のオリジナルから盤起こしされた音源。スクラッチノイズは最小限。2枚を使ってノイズが無い部分を巧く補っているのでしょう。LPの音としては最上の音です。しかも迫力ある生々しい音がします。打楽器が特に凄い。シンバルがいちばん生々しい。メロトロンの印象もLPとほぼ同じ。これは正にオリジナルLPの音と同じではないのでしょうか!

ノイズがほとんど聴こえない(全く無い訳ではありません)ので、例えば「Moonchild」の中間部もしっかり音が出ています。ダイナミックレンジの広さが十二分に味わえます。CDとは違う音なのですが、何が違うのか、私の力では具体的に説明できませんが、とにかく違う音です。う〜〜ん、アナログの音は奥が深いですね。

それで2009ミックスはどうなのか、24/96 MLP 2ch(DVD-Audio再生)を続けて聴いてみました。あっ、違う。明らかにミックスが、バランスが違っているのが分かりますね。どっちがいいかは好みの問題。というより、どっちも楽しめる。2009ミックスは輪郭がはっきりしていて、かつ繊細。オリジナルは生々しくて力強い。打楽器の余韻はオリジナルの方がややいいかなぁ、と感じます。私だったら2004リマスターよりボックスの「盤起こし」を聴きますね。

でも、5.1chを知ってしまった以上、2chはもう論外、というのが正直な私の意見。過去は過去として、新しい解釈を創り出し、感動を終わらせない活動に惹かれてしまいます。昔のファンも大事にするし、さらに多くの若いファンも生み出そうとする意欲。彼らの音楽が広い世代にも受け入れられること、2chには収まり切れないこと、すべてに自信があるんでしょうね。

『宮殿』の集大成として、今回のボックスは名実共に完璧です。出し惜しみの無い音源の収録、すべてのミックス、リマスターが揃う。そして5.1chミックス。全く新しい感動を与えることが重要であり、これから未知のファンを獲得する壮大な意欲に溢れたボックスセット。古いファンを満足させるだけが目的ではなく、新しいファンに聴き継がれて行くためのボックスだと思います。日本独自の紙ジャケットの意義はあるのかどうか?

Frippは、どうしてこんなに多くの『宮殿』を一つにパッケージしたのか?
LPを知らない世代に40年前のLPの音を、2chステレオしか知らないファンにモノ・ミックスを。デジタル音源として2004年リマスター、2009年リミックス、さらに24/96フォーマットの最上級音源。どれがいいと感じるのか?
その先にあるのが5.1chサラウンド。これまでの『宮殿』経験がどうであれ、これから聴いて行くのはどの音源がいちばんいいのか、選べ!とFrippは問いかけているようです。

5.1chを聴く環境が普及していないことは残念なことです。でも悲観することはありません。5.1chは、これから先のシステムだと考えましょう。来週聴かなくても、数年後に聴ければいいではないですか。

06.jpg覚えておいて欲しいのは、2009年にRobert Fripp(写真:右)が歴史に残る5.1chのKing Crimson作品の発売を開始したこと、それを実現させたのはSteven Wilson(写真:左)だということです。もしサラウンドが5年後に50%くらい普及していたら、2009年の出来事は歴史に残っている、と思います。紙ジャケットはまだ残っているかな?
タグ:King Crimson
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コメント 6

なおっち

こんばんは。宮殿ボックスいいですね!画像も文章も何度も何度も見返してしまいました(笑)たぶんもうすぐ輸入盤宮殿ボックスが届く予定なので楽しみです。紙ジャケCD魅力的ですが 私は やっぱり昔慣れ親しんだレコードジャケットが好きです。今のご時世ノイズなしを聴きたいときはCDで プチプチノイズがあってもそれもまた良しとしてレコードを愉しんでいます。昔はプチプチノイズが許せなくてCDが出たときは飛びついたのですが。。年をとったかなぁ〜
by なおっち (2009-11-23 01:36) 

sowhat

なおっちさん

ご訪問ありがとうございました。
やっぱりLPで発売されていたものは30×30でなければいけませんね。
ミニチュア紙ジャケットも楽しいものですが、そろそろ……。
私もスクラッチノイズが気になるので、CDの登場は嬉しかったです。
だから、私もたくさん歳を取っています。
ボックスが早く届くといいですね。

by sowhat (2009-11-23 10:46) 

なおっち

今日ついに待望の宮殿ボックスが届きました!サラウンドは聴く環境がないので今後のお楽しみです(笑)まずはピンクアイランドからの盤起こしを聴いています。いつかは入手したいレコードのひとつです。ではこれからもクリムゾンネタお願いしますね。いつも楽しく拝見させていただいています。
by なおっち (2009-11-24 18:43) 

sowhat

なおっちさん

無事の到着、よかったですね。
私はご覧の通りサラウンドに惹かれているだけで
熱心なクリムゾンファンではないのです。
来年は残りの分が順次発売されるでしょうから、楽しみです。
次は『戦慄』か『Discipline』かな?
Jakkoが作業している『Thrak』でしょうか?

by sowhat (2009-11-24 22:27) 

ぷーちゃん

一枚でもそれなりのインパクトのある宮殿の
ジャケット。なんですかーこの迫力は、凄いですね。
by ぷーちゃん (2009-11-24 22:27) 

sowhat

ぷーちゃんさん

熱心なファンではないつもりですが、
棚から出してみるとこんなにあったんです。
十分に「熱心」ですね。

by sowhat (2009-11-24 22:36) 

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