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「おくりびと」 [映画]

これは傑作ではなかろうか…。
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洋画、邦画を問わず、久しぶりに「観てよかったなぁ、もう一度観たいなぁ」と素直に感動した映画です。

[映画のホームページ]

主演でもある本木雅弘の原案を、古くは「カノッサの屈辱」などのテレビ番組の企画・脚本で活躍する小山薫堂が脚本、監督は「バッテリー」などの滝田洋二郎。納棺師という特殊な職業にまつわるお話です。笑いあり、涙ありで、おまけにストーリーの先が読めたり、と思えば意外な設定もありと、娯楽としての映画らしさが存分に楽しめます。従って観客の反応も素直で、劇場全体が笑い声になったり、しんみりしたり、魅入られさせられたり、そんな一体感を久しぶりに体験しました。

何が良いかというと、全く無駄がない、解りやすい自然なストーリー、受け入れやすい流れるような展開で、ひと時も退屈させません。本木雅弘の惚れ惚れする納棺師の所作、広末涼子の健気な若妻、山崎努を始めとした脇役の充実した存在感、細かい役柄までキャスティングも見事にはまっています。当然、葬儀、納棺のシーンがいくつも出てくるのですが、家族でもなければ、もちろん映画なのに、人間の死に対して悲しみを感じるのは、私が涙もろいだけではないと思います。

残念ながらサラウンドは至って普通でしたけど、納棺シーンでの所作の音と静寂との対比は見事で、死の尊厳さを見事に表していました。

シーンの中に「かつてのクラシック喫茶店」と「納棺会社の社長のリビング」が出てくるんですが、どちらもJBLが置かれていて意外な細かいこだわりを感じていたら、エンドクレジットに美術協力で「!JBL」がしっかり出てきていて、思わず嬉しくなりました。オーディオ好きでもある小山薫堂のこだわりだったんでしょうか?

モッくんのチェロ演奏もなかなかです。音はプロの音の吹き替えだそうですが、本格的に練習を重ねたそうで、そんなギミックを感じさせない、プロの演技が見られました。

モントリオール映画祭グランプリは伊達ではありません。映画館で観て絶対に損しない、価値ある一本です。スクリーンに映る仏様はまるで自分のようであり、家族のようであります。自分の死、家族の死を覚悟する、いい機会になるのではないでしょうか。
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