Jeff Beck「Led Boots」をカバーした上原ひろみ [5.1chサラウンド]
上原ひろみの新作『Beyond Standard』には「Led Boots」が取り上げられています。
アメリカでは5.1chミックスを含むSACDも発売されたので、当然、こちらを聴いてみました。
日本では5.1chもSACDも無視されてしまっています。何とも悲しい現状です。
上原ひろみは名前は知っているものの、ちょっと耳にした曲に引きつけられるものがなくて、前作に5.1ch SACDがあったものの買わず仕舞いに終わっていました。
バークリー卒業でアメリカTelarcと契約しデビュー作から5.1chですから、その実力と期待度はあまりにも高く、そしてその結果も素晴らしいものでした。ただきちんと聴いたことがなくて(笑)。でも「Led Boots」を、しかも5.1chでやっていると聞いては居ても立ってもいられません。
『Beyond Standard』の内容は、
1. イントロ〜朝日の如くさわやかに(ハマースタイン)
2. 朝日の如くさわやかに(ハマースタイン)
3. 月の光(ドビュッシー)
4. キャラヴァン(エリントン)
5. 上を向いて歩こう(六・八・九)
6. マイ・フェイヴァリット・シングス(ロジャース=ハマースタイン)
7. レッド・ブーツ(マックス・ミドルトン)
8. XYG(上原ひろみ)*原曲は「XYZ」
9. アイ・ガット・リズム(ガーシュイン)
という選曲で、ほとんどがいわゆるスタンダード曲ですが、8. 「XYG」はセルフカバー、「上を向いて歩こう」はちょっと、「Led Boots」はかなり意外な選曲です。「月の光」もジャズとしては珍しい選曲だと思います。
テーマは「スタンダード曲を越える」というより「ブッ飛ばす!」という感じで、ボーッと聞くと原曲が分からないほど超越したアレンジになっています。ジャケットは「××を飛び越える」4枚組の写真です。分かり易すぎ(笑)。でも聴き進むうちに、果たして「Led Boots」はどうなるのか期待は膨らみました。選曲した理由は、彼女が大好きな曲であることは当然ですが、ギターのパートはギタリストには渡さず自分で弾きたかったそうです。その挑戦的な意気込みに惹かれるでしょ?
7曲目になりました。イントロは全く違います。あれれ、Aメロのリフはギターが弾いてる...。???
Aメロ以外は原曲のイメージはないし、コードもちょっと違う。上原ひろみはエレピを弾いていて何ともおとなしい。生ピアノを期待したんですが。このCDはソロではなく、「Hiromi's Sonicbloom」というギター、ベース、ドラムを加えたグループ作品で、ギターにAメロを弾かせたのは失敗かなぁ。原曲に近すぎて「beyond」できない(笑)。ソロで、ピアノだけでやった方がよかったのではないでしょうか。テンポもやや遅く、緊張感にやや欠けてます。他の曲に較べても「ブッ飛び」度が低くて、もっともっとジャズの手法に徹して欲しかったです。
カバーって難しいですよね。評価はどうしても分けれます。似過ぎると粗捜しはされるし能がないと思われるし、違い過ぎると嫌われるし。「Led Boots」なんてテーマ自体は少なくて、大半はアドリブで盛り上げている曲ですからカバーし易い曲とは思えないし、HummingbirdとJeffのトリビュートアルバム以外で取り上げられたことはないと思うし...。と思っていたら、
とか、カバーしているんですね。探せばあるものです。聴いてみたくなります。
上原ひろみに戻ると、5.1chはなかなか渋い内容です。空気感、広がりを意識させたデザインで、音源をポイントで絞り込むのではなく、残響音を生かした定位になっています。特にドラムはチャンネルをいくつもまたいだ広い定位にしてあります。ただ、音の迫力は確かにあるのですが、どの音も引っ込み気味なんですよね。聴かせ所はもう少し音が立つようにした方がよかったと思います。
最後に、「Led Boots」が収録されている『Wired』にはSQと8トラの4chがあり「Led Boots」はミックスが違っています。印象的な「出だし」が違っていて、どちらがいいかというと通常2chの方がかっこいいのですが(笑)。『Blow By Blow』は4chミックスそのままでSACD 5.1ch化されたのでこちらも期待したのですが、現在まで実現していません。絶望的です(笑)。
CBSの4chの価格はLPも8トラも$7.98で2chより$1高く、レーベルやケースがゴールドでゴージャスなのです。
アメリカでは5.1chミックスを含むSACDも発売されたので、当然、こちらを聴いてみました。
日本では5.1chもSACDも無視されてしまっています。何とも悲しい現状です。
上原ひろみは名前は知っているものの、ちょっと耳にした曲に引きつけられるものがなくて、前作に5.1ch SACDがあったものの買わず仕舞いに終わっていました。
- アーティスト: 上原ひろみ,ミッチ・コーン,アンソニー・ジャクソン,デイブ・ディセンゾ,デイブ・フィウチンキ,ジム・アドグレン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2004/09/08
- メディア: CD
バークリー卒業でアメリカTelarcと契約しデビュー作から5.1chですから、その実力と期待度はあまりにも高く、そしてその結果も素晴らしいものでした。ただきちんと聴いたことがなくて(笑)。でも「Led Boots」を、しかも5.1chでやっていると聞いては居ても立ってもいられません。
『Beyond Standard』の内容は、
1. イントロ〜朝日の如くさわやかに(ハマースタイン)
2. 朝日の如くさわやかに(ハマースタイン)
3. 月の光(ドビュッシー)
4. キャラヴァン(エリントン)
5. 上を向いて歩こう(六・八・九)
6. マイ・フェイヴァリット・シングス(ロジャース=ハマースタイン)
7. レッド・ブーツ(マックス・ミドルトン)
8. XYG(上原ひろみ)*原曲は「XYZ」
9. アイ・ガット・リズム(ガーシュイン)
という選曲で、ほとんどがいわゆるスタンダード曲ですが、8. 「XYG」はセルフカバー、「上を向いて歩こう」はちょっと、「Led Boots」はかなり意外な選曲です。「月の光」もジャズとしては珍しい選曲だと思います。
テーマは「スタンダード曲を越える」というより「ブッ飛ばす!」という感じで、ボーッと聞くと原曲が分からないほど超越したアレンジになっています。ジャケットは「××を飛び越える」4枚組の写真です。分かり易すぎ(笑)。でも聴き進むうちに、果たして「Led Boots」はどうなるのか期待は膨らみました。選曲した理由は、彼女が大好きな曲であることは当然ですが、ギターのパートはギタリストには渡さず自分で弾きたかったそうです。その挑戦的な意気込みに惹かれるでしょ?
7曲目になりました。イントロは全く違います。あれれ、Aメロのリフはギターが弾いてる...。???
Aメロ以外は原曲のイメージはないし、コードもちょっと違う。上原ひろみはエレピを弾いていて何ともおとなしい。生ピアノを期待したんですが。このCDはソロではなく、「Hiromi's Sonicbloom」というギター、ベース、ドラムを加えたグループ作品で、ギターにAメロを弾かせたのは失敗かなぁ。原曲に近すぎて「beyond」できない(笑)。ソロで、ピアノだけでやった方がよかったのではないでしょうか。テンポもやや遅く、緊張感にやや欠けてます。他の曲に較べても「ブッ飛び」度が低くて、もっともっとジャズの手法に徹して欲しかったです。
カバーって難しいですよね。評価はどうしても分けれます。似過ぎると粗捜しはされるし能がないと思われるし、違い過ぎると嫌われるし。「Led Boots」なんてテーマ自体は少なくて、大半はアドリブで盛り上げている曲ですからカバーし易い曲とは思えないし、HummingbirdとJeffのトリビュートアルバム以外で取り上げられたことはないと思うし...。と思っていたら、
とか、カバーしているんですね。探せばあるものです。聴いてみたくなります。
上原ひろみに戻ると、5.1chはなかなか渋い内容です。空気感、広がりを意識させたデザインで、音源をポイントで絞り込むのではなく、残響音を生かした定位になっています。特にドラムはチャンネルをいくつもまたいだ広い定位にしてあります。ただ、音の迫力は確かにあるのですが、どの音も引っ込み気味なんですよね。聴かせ所はもう少し音が立つようにした方がよかったと思います。
最後に、「Led Boots」が収録されている『Wired』にはSQと8トラの4chがあり「Led Boots」はミックスが違っています。印象的な「出だし」が違っていて、どちらがいいかというと通常2chの方がかっこいいのですが(笑)。『Blow By Blow』は4chミックスそのままでSACD 5.1ch化されたのでこちらも期待したのですが、現在まで実現していません。絶望的です(笑)。
CBSの4chの価格はLPも8トラも$7.98で2chより$1高く、レーベルやケースがゴールドでゴージャスなのです。
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