辻井伸行さん、おめでとう! [クラシック]
辻井伸行さんの活躍は素晴らしいですね。その努力を想像すると、本当に頭が下がります。
いい機会なので聴いてみようと思い,調べてみるとラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」が入っていました。これは私が大好きな曲です。せめてこれだけでもと、iTunesでDLしてみました。
この曲は音数も少なく、技巧的には難しい部類には入らないものの,結構、個性が出易いものです。手持ちのCDが3枚あったので聴き較べてみましたが,辻井さんのは非常に繊細なタッチで、女性的でした。これまでの解釈とちょっと違う部分もあって、聴き甲斐のある一曲です。これが150円で瞬時に手に入るのですから、やはりインターネットというのは恐ろしいものです。
手持ちのCDは録音が古いもので、もちろんアナログ録音。較べてみると録音の質が全く違うことが明白です。単純な比較であれば,現在のデジタル録音の方が圧倒的にいい印象です。
iTunesではなくCDだとどれくらい違っているのでしょうか?
24bit/96kHzの高音質音楽配信が始まっていますが,もっともっとタイトルを増やして欲しいものです。中途半端なSHM-CDなどではなく、価格が高くなっても本当の高音質ソースを配信して欲しいですねぇ。The Beatlesの新しいCDが話題ですが,発売後に高音質配信を始めるという噂もあります。やはりCDはCD。これ以上CDに高音質を求めるのは限界です。
クリックだけで手に入る「亡き王女のためのパヴァーヌ」が150円。文句の付けようがありません。私の持っていたCD、もう聴く気にはなりません。
クラシック音楽の現状 [クラシック]
昨日、9月16日の読売新聞夕刊に興味深い記事(斜体部分)を見つけました。
「過去の名演 新作を阻む」というタイトル。傾向は感じていましたが、クラシックもディスクの売上が減少の一途を辿っているとのこと。
…新譜情報を見ると、8月下旬から今月上旬に発売された104点のうち新録音は43点に過ぎない。(中略)クラシックの売り上げの8割近くが旧録音の再発売(以下略)
これは「洋楽ポピュラー」も同じような傾向だと思いますが、クラシックの新作とは「過去の作品の新録音」ですから、「旧録音の再発売」である「洋楽ポピュラー」とはちょっと違う訳です。
タイトルにあるように、
…ギャラが高い一流オーケストラの新録音は、世界中で売れないと採算が取れない。しかし過去の名演がそれを阻んでいる。(中略)コンサートより完成度の高い演奏でなければレコーディングの意味が無い。
クラシックの場合、過去に作曲された曲を新たに録音する訳ですから「初めての録音」というケースはほとんどなく、必ず過去の録音と比較されてしまう訳です。有名曲となれば何十という「名演・名盤」が確立してしまっている訳ですから、なぜ新録音か、その意義は当然問われる訳です。
記事の中で京都大学准教授、岡田暁生氏は
演奏史の蓄積であるレコードの分野で、これ以上新たな名演を求めるのは難しい。コンサートが持つ一回性の芸術に回帰するべき時ではないか。
と指摘しています。ポピュラー音楽の場合もコンサートの収入は堅調と聞きますし、音楽にお金を使う割合の中でディスク購入に使う割合は明らかに減少しています。ディスク単価はここ30年、ほとんど変動していないのですが、コンサートの料金もどんどん高くなっています。
最後には
過去の名演を廉価盤で再発売してしのいでいる業界を見ていると、レコードの未来にはあまり希望が持てないー。
とまとめられています。厳しいですね。
クラシックは単独では採算が取りにくい部門で、100万枚を超える流行歌のヒットの恩恵で発売されていると聞きます。ミリオンセラーがほとんど生まれなくなってしまった情況ではますます厳しい境遇に追いやられてしまいそうです。
レコードは、一回限りの体験だった音楽を、誰でも、いつでも、どこでも聴ける身近な存在に変え、新たに「レコード音楽」を確立した訳ですが、その意義を見直す時期を迎えているということでしょうか。
私もクラシック音楽は好きなのですが、考えてみると曲ができたのは何百年も前なんですよね...。ポピュラー音楽にしても1940年代以前のものはほとんど話題に上がりません。私の得意分野は1970年代ですから、非常に偏った聴き方をしていることは否めません。
すいません、結論は出せませんが、「レコード音楽」はどこへ行くのか、考えさせられます。
「過去の名演 新作を阻む」というタイトル。傾向は感じていましたが、クラシックもディスクの売上が減少の一途を辿っているとのこと。
…新譜情報を見ると、8月下旬から今月上旬に発売された104点のうち新録音は43点に過ぎない。(中略)クラシックの売り上げの8割近くが旧録音の再発売(以下略)
これは「洋楽ポピュラー」も同じような傾向だと思いますが、クラシックの新作とは「過去の作品の新録音」ですから、「旧録音の再発売」である「洋楽ポピュラー」とはちょっと違う訳です。
タイトルにあるように、
…ギャラが高い一流オーケストラの新録音は、世界中で売れないと採算が取れない。しかし過去の名演がそれを阻んでいる。(中略)コンサートより完成度の高い演奏でなければレコーディングの意味が無い。
クラシックの場合、過去に作曲された曲を新たに録音する訳ですから「初めての録音」というケースはほとんどなく、必ず過去の録音と比較されてしまう訳です。有名曲となれば何十という「名演・名盤」が確立してしまっている訳ですから、なぜ新録音か、その意義は当然問われる訳です。
記事の中で京都大学准教授、岡田暁生氏は
演奏史の蓄積であるレコードの分野で、これ以上新たな名演を求めるのは難しい。コンサートが持つ一回性の芸術に回帰するべき時ではないか。
と指摘しています。ポピュラー音楽の場合もコンサートの収入は堅調と聞きますし、音楽にお金を使う割合の中でディスク購入に使う割合は明らかに減少しています。ディスク単価はここ30年、ほとんど変動していないのですが、コンサートの料金もどんどん高くなっています。
最後には
過去の名演を廉価盤で再発売してしのいでいる業界を見ていると、レコードの未来にはあまり希望が持てないー。
とまとめられています。厳しいですね。
クラシックは単独では採算が取りにくい部門で、100万枚を超える流行歌のヒットの恩恵で発売されていると聞きます。ミリオンセラーがほとんど生まれなくなってしまった情況ではますます厳しい境遇に追いやられてしまいそうです。
レコードは、一回限りの体験だった音楽を、誰でも、いつでも、どこでも聴ける身近な存在に変え、新たに「レコード音楽」を確立した訳ですが、その意義を見直す時期を迎えているということでしょうか。
私もクラシック音楽は好きなのですが、考えてみると曲ができたのは何百年も前なんですよね...。ポピュラー音楽にしても1940年代以前のものはほとんど話題に上がりません。私の得意分野は1970年代ですから、非常に偏った聴き方をしていることは否めません。
すいません、結論は出せませんが、「レコード音楽」はどこへ行くのか、考えさせられます。