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あなたが愛する3枚のザッパ [Frank Zappa]

軽い気持ちで「あなたが愛しているザッパのアルバムを3枚、そして何年間ザッパを聴いて来たか教えてください」とつぶやいてみたら、約60人の方々から返事をいただきました。どうもありがとうございました。

70枚以上あるアルバムの中からたった3枚?とお怒りの気持ち、よく分かります。私も辛い(笑)。でも5枚でも10枚でも悩むのは同じだろうし、140文字のツイッターですから、どうぞご理解ください。

「ザッパ歴」の年数を訊いたのは、年数の違いで選択や好みに違いが出るのではないか、と思ったからです。年数から実年齢が推測されてしまうので、多くの方にご迷惑をおかけしたこと、お詫びいたします。「年数」を気にされてエントリーされなかった方、無記入の方もいらっしゃいます。また「若干の誤差」もあるかもしれませんね(笑)。ただし年齢予想の意図は無く、上記の主旨をご理解いただければ幸いです。

「3枚」は、ベスト3とか、お勧めの3枚とかの表現を敢えて使わず、「愛している3枚」という曖昧な表現を使ったのは、感覚的で自然体の3枚を教えて欲しかったからです。じっくりと時間をかけて「最高傑作」を検討していただきたくなかったのです。質問の捉え方はそれぞれですから、私の意図は巧く伝わってはいないと思いますが、「ベスト3」と訊かれた場合とは違う結果が出ていたとすれば、私の意図は成功したことになります。実際、聴いている回数とは違う結果でエントリーされて困惑された方もいらっしゃいました。



エントリーは59人。ザッパ歴は40年から僅か2週間と広範囲。3枚に各1点を均等に与えた結果は、

fz3.jpg
21点 One Size Fits All
20点 Hot Rats
12点 Sheik Yerbouti

これが上位の3枚です。トップ2枚は激戦でした!

エントリーされたアルバムは全部で41枚、内2点以上、複数の支持を得たのが30枚でした。1点も得られなかったアルバムも多かったということですね。

ザッパ歴の区分は、LP時代から聴いていたのか、CDから聴き始めたのかが大きな分岐点になると考えます。CDが発売開始されたのが1986年9月、ちょうど24年前ですが、「25年」という方が7人と多くいらっしゃるので、この方々もCD世代とみなし、「26年以上:14人」と「25年以下:45人」という二つに分けて上位3枚を改めて集計すると、

「26年以上:14人」の結果。
fz4.jpg
6点 Hot Rats
4点 Sheik Yerbouti
4点 Roxy

とRoxyが浮上し、One Size Fits All は2点なのです。

「25年以下:45人」の結果は、
fz3.jpg
19点 One Size Fits All
14点 Hot Rats
8点 Sheik Yerbouti

この順位は総合集計と同じ結果でした。

n=59ではまともな統計にはならないでしょうが、One Size Fits Allの支持が大きく違っていたのが今回のいちばんの成果ではないでしょうか。

今回は、3枚の順位は具体的にお訊きしませんでした。でも順位を指定された方もいらっしゃいました。しかし、多くの方のは発売順ではなく、意図不明の順番になっていますので、心理上、最初に挙げるのが一位と勝手に判断し、一位のみを3点として集計し直すと、
4.jpg
50点 Hot Rats _______トップに書いた方:15人
29点 One Size Fits All ___トップに書いた方:4人
18点 Sheik Yerbouti ____トップに書いた方:3人
18点 Roxy _________トップに書いた方:4人

ここではHot Ratsが圧倒的なトップで、またもRoxyが浮上します。ここでもOne Size Fits Allの存在は価値があり、「一位」でなくても好きなアルバムと感じている方が多いと言えそうです。かなり強引ですが。

今回の結果に何ら影響力は無いと思いますが、CD世代、いやiPod世代のザッパ初心者に勧める一枚としては、幅広い支持を得ているOne Size Fits Allがいちばん適しているのではないかと思います。

zappa_one_size_obi_3.jpgOne Size Fits All、邦題「万物同サイズの法則」1975年6月25日US発売、日本発売は同年9月25日。封印されていた?The Mothers Of Invationが復活、でもこれが最後。売れる予想が立たなかったのか、経費削減でオリジナルのWジャケットは、日本盤では寂しいシングル・ジャケット。この頃はこんな「エコLP」が少しありました。解説は八木康夫さん。59人のうち発売当時に既にザッパを聴いていた方は僅かに一人。

発売から約15年経って多くのCD世代がこれに出会い、そして今も愛聴しているという。幾度となく発表される「ロック・ベストXX」などに選ばれることはほとんどないにも関わらず、です。プロの選択の多くはFreak Outでしょうか…。共通項はHot Ratsと言えそうです。

One Size Fits All、数種類のCDが発売され、紙ジャケットも実現しています。が、こればかりはLPサイズのジャケットでなければかなり寂しい。Cal Schenkelの手による裏ジャケットのインチキ星座は、余りにも細かくて複雑。LPサイズでも読み難いのに、CDサイズに縮小されては判読は厳しいです。でも紙ジャケット版はなかなか再現をがんばってます。
IMGP0705.JPG
私の安物カメラではこんな程度にしか撮れませんでした。すいません。
CDではザッパの趣味なのか、チョコチョコと変更が加えられていて、マニアの心を揺さぶります。私の日本盤は印刷が粗くて確認出来ません。

One Size Fits Allの魅力。
メンバーが凄い。曲がいい。歌ものとインストが程よく混在。ザッパのギターソロが凄い。歌詞の内容も幅広い。とにかくバランスがいい一枚です。One Size Fits Allという曲は無いので、全体のイメージから考えられたタイトルなのでしょう、粋なタイトルです。

2304821484_2e29792cb6.jpgキーになるワードは「Sofa」、曲が2曲で、ジャケットにもドーンと置かれて、いや、浮いています。星座、宇宙のイメージは「Inca Road」の歌詞からインスパイアされたのでしょう。

豪華な音は大きな音で聴いても、ヘッドフォンで聴いてもスーッと入り込みます。聴き込んでも複雑な構成に唸らされますが、BGMとしても体が揺れて来るし、ドライブ中に「Inca Road」が出てくれば浮かれてしまいます。



avax2_607_orig.jpg高音質CDの「20 BitのゴールドCD」として「Apostrophe」と共に2枚だけ発売されています。インチキ星座にはちょっと修正が入っていますが細かすぎて(笑)。ちょっと入手が厳しいかもしれませんが、大きな音で聴くのであれば、この20 Bit CDは威力を発揮すると思います。でも高額をかけて買うまではないのではないかと。できればLPジャケットを探してインチキ星座を眺める方が経済的だと思います。

コレクターの話題としては、初版のLPのRun Offに「BS 2879」というWaner規格の番号が消されたヴァージョンがあります。最初はWanerからの発売が予定されていたことが伺える訳ですが、この頃からWanerと何か揉め事が起きていたのでしょうか?

こんな結果しか出せませんでしたが、協力をいただいた皆さん、本当にありがとうございました。そしてこれからもザッパを聴いていきましょう!
タグ:Frank Zappa
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HIKKY

私も「HOT RATS」が1位、「ONE SIZE FITS ALL」が2位ですが、
3位以下は超難しいですね
初期のものから選ぶか、ライブから選ぶか・・・
by HIKKY (2010-08-30 19:42) 

sowhat

HIKKYさん

やっぱり「HOT RATS」と「ONE SIZE FITS ALL」が上位なんですね。
3枚選ぶのは本当に苦難です。
by sowhat (2010-08-30 21:24) 

pon太

はじめまして。
genesisのsacd&DVDについて検索していたら、こちらにヒットし、もっとおもしろい記事があったので、コメントさせていただきました。

私は、ザッパ暦23年です。(昨年段階なら22年です。)
好きな3枚を選ぶとすると、
1位 we're only in it for the money
2位 weasels ripped my flesh
3位 tinsel town rebellion

いまさら、という気もしましたが、コメントさせていただきました。
by pon太 (2011-11-16 20:34) 

イタチ野郎

イタチ野郎は外せない。
スタジオタン
アンクルミート

HOT RATS もアブソルートリー・フリーも好き。
by イタチ野郎 (2017-04-04 16:45) 

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