ノーザン・ソングス - 誰がビートルズの林檎をかじったのか [The Beatles]
ノーザン・ソングス 誰がビートルズの林檎をかじったのか(単行本)
- 作者: ブライアン・サウソール
- 出版社/メーカー: シンコーミュージック・エンタテイメント
- 発売日: 2010/03/29
- メディア: 単行本
またまた発売のThe Beatles関連の書籍。またか、ですが買ってしまうのです。
今回は注目の音楽著作権の中でも出版の著作権にスポットを当て、誰もが知るThe Beatlesの楽曲そのものが主人公となってお話が進みますから、著作権ビジネスの実態がよく分かります。ここまで詳しく書いたものは無かったと思います。だから買って読まないといけません、と勝手に自己満足。
著作権のスタートがフランスで、どのようにビジネスが発展したか、俯瞰的な説明に始まり、大まかな経緯は知られているものの、興味深いNorthern Songsの内情が露になっています。著作権ビジネスの深さ、恐ろしさが分かりますね。
The Beatlesが、それまでの作詞者、作曲者、歌手、演奏家という分業の様式とは違う自作自演だったこと、世界的な大ヒットにより歴史的な巨額の著作権使用料が発生したことが、ある意味いろいろな不幸も生み出してしまったと言えるでしょう。ポイントは最初の契約。誰が騙したのか?騙されたのか?、誰もが知る関係者ばかりが登場しますので「犯人探し」もおもしろいです。
やがて論点は一人の「著作権」を持っていないロック史上最強の「著作者」、Paul McCartneyのお話に進みます。現在も精力的にコンサート活動を続けるPaulは、コンサートの度に自作のThe Beatlesの曲を歌うと著作権使用の事務手続きを行い、料金を支払う。でも支払った料金の一部しか「著作者」の自分には戻って来ないという構図。歌えば歌うほど現在の著作権者「ソニー・パブリッシング」が儲かるということ。これが悲しい現実なのです。
Michael Jacksonの死亡によってLennon=McCartneyの著作権がどうなっていくのか、何しろ世界一の巨額の権利ですから、私には関係ないとはいえ、今後の経緯はちょっと気になります。
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