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『Hotel California』を聴く。集める。 [70年代]

01.JPG
私のレコード棚「E」付近。分かり難いかもしれませんがEagles『Hotel California』がたくさんあります。

ちょっと見やすく横にしてみます。
02.jpg
 最初に買った日本盤
 US盤の初期版
 値上げになったUS盤の後期版(マスタリングが違う)
 90年頃に買ったデジタルマスターのEU盤
そして…オークションで買った
 UK盤のファーストプレス
 UK盤のセカンドプレス(マスタリングが違う)

 高音質でお馴染みのMFSL
 初期プレスと考えられるプロモ仕様のUS盤

日本盤、通常のUS盤はこれ以外にも数枚買って、状態のいいものを残しています。

もちろんCDもある訳です。


03.jpg
 たぶん世界最初の西ドイツ盤(下・左)
 ゴールドCD(上・右)
 1999年リマスターのUS盤(下・右)
 内容はリマスター版と同じと思われる、紙ジャケット仕様ののUS盤(上・左)
そして、
 DVD-Audio(上・中)

こんなにもある。全部で11枚。あと残っているのは「オープン・リール・テープ」「テスト・プレス」と「SHM-CD」という所だと思います。

私の場合、気に入った作品は「オリジナル盤」「日本盤」「CD」と集めているし、そこに「プロモ」や「テスト・プレス」、「リマスターCD」、さらに5.1chのDVD-Audio/SACDなどが加わって、どんどん増殖するのが常なのですが、名実共に傑作の『Hotel California』とはいえ、この数はかなりの数です。

基本的に徹底した聴き較べは性格的に向いていないので、手に入れた時点の「軽い印象」で「いいな」とか「大したことないな」とかで済ますことが多いのですが、この『Hotel California』に限っては、どういう訳か、聴いても聴いても「何となく」納得できず、もっといい音で聴こえるはずなのにという思い込みが、ここまで買い足して来た、希望と期待を裏切り続けた結果なのです。

『Hotel California』、この音が何とも薄っぺらい。これが私の印象。

強調しておきたいのは、決して音が悪いと感じているのではありません。私の好みに合わないだけなのです。

もうちょっとメリハリが欲しいのに、と思うのです。狭い所にグチャッと固まっていて、ダイナミックレンジが狭いと思うのです。こればっかりは再生環境の問題というよりも、ソースの問題と勝手に解釈し、あれこれと買う羽目になってしまいました。

でも、どれもこれも似たような感じで、期待した初めてのCDも同じ傾向でした。リマスターCDでも似たようなもの。今日の時点で好みにいちばん近いのは「UK盤のファーストプレス」それと「MFSL」。それでも満足という結果ではなく、気分で変わりそうです。

真打として出たのがDVD-Audio。これには本当に期待しました。5.1chサラウンドが第一の目的ですが、2chは192kHz/24-bitという最高音質仕様です。発売元のWEAとしてもDVD-Audioのキラーコンテンツとして自信満々でリリースしたはずですし、当然マスターにいちばん近い音質であることは疑いもないのですが、これまた今一つ。私の耳がアホなのか?

これだけ聴いてみても大差がないということはマスターがこうなのだろう、と自分の中で結論にするしかありません。工程上、違うカッティングを行っている「UK盤」と「MFSL」に若干の味付けがあり、それが私の好みにいちばん近い、と半ば諦めでもあります。

5.1chであればマルチからミキシングし直すので、何らかの「変化」がでるはずと睨んでいたのですが、期待した音質の向上はなく、おまけにサラウンドも凡庸で、聴いたときは相当落ち込んでしまったものです。DVD-Audioのセールスも振わず、1万枚しか売れなかったという記事も目にしました。サラウンドにはもっと斬新さが欲しかったし、サラウンドの魅力を発揮できていないのですから当然の結果かもしれません。悔しいことです。疲れます。

04.jpg不満たらたらの5.1chですが、全部が全部気に入らない訳ではなく、最後の3曲 はハッとするサラウンドが入っています。「お前を夢見て」の音源配置は絶妙で、サラウンドが盛り上げをより効果的に仕立てています。「あの愛をもう一度」のGretschのギターの音はきらびやかで、他では聴けない高音の美しさがあります。の終焉に向かう高揚感は、サラウンドならではの抱擁感と広がりが2chでは出せない異次元の世界で美しい余韻に浸してくれるのです。律儀に曲順に沿って5.1ch作業を行ったとは思えないのですが、肝心のタイトル曲「Hotel California」にもう少しサラウンドの味付けがありさえすれば満足できたのに。聴かせ所の後半のツイン・リード・ギターにサラウンドの良さが感じられず、盛り上がりの無いままで終始するのが悔やまれます。

聴いていないSHM-CD。念のため確かめてはみたいもののCDはあくまでもCD、これ以上の増加と浪費は避けたいと思っています。幸い、SHM-CDの評判は聴こえて来ていないし。この辺で止めておきましょう。

seliusly.jpgJoe Walshのファンである私にとって『Hotel California』はJoeが手伝ってあげた作品。世間が言う「JoeのギターがEaglesをハードにした」というのは、Joeの音楽性を正しく理解していないと思っています。『呪われた夜』の傾向がより強力になっただけで、それはJoeの影響ではなくグループとしての変化だったと。確かに「Hotel California」のツイン・リードや「駆け足の人生」にJoeのギターが大きくフィーチャーされてますが、それ以外、細かく聴けばJoeの貢献度は意外に低いのです。逆にEaglesの影響をモロに受けたJoeのソロ『ロスからの蒼い風』に私は驚かされたくらいです。その後のJoeの音楽性は全く変わってしまったんです。

好きな作品とはいえ、ここまで買わせるパワーは凄いこと。いや、ここまで買う私がアホなのか、筒井康隆の新作「アホの壁」を読んで感慨に耽るのでした。そんなに気に入らなければ処分してしまえばスッキリするものの、聴き直してみたら違う印象があるかもしれないとそんな踏ん切りも付かず、まぁ趣味とはこんなアホなものです。たまに聴いて今度はどうかなぁ?なんて、勝手気ままに楽しんでます。集めるのも楽しいし。こんなバカバカしいのが一つや二つあってもいいですよね。
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HIKKY

sowhatさんとHOTEL CALIFORNIA、
ちょっと意外な組み合わせ?
私は出たときに日本盤LPを買ったものの、早々に友人に売却
今はUS盤アナログで持ってます(入手経路が記憶にない・・・)
改めて盤を見てみたら、
A面に"IS IT 6 O'CLOCK YET?"と彫り込まれてるのに
初めて気づきました
by HIKKY (2010-03-22 22:31) 

sowhat

意外な組み合わせでしたか!
Joe Walshという絶対的な関係なんですが。
"IS IT 6 O'CLOCK YET?"はビル・シムジクのジョークです。
EaglesのLPにはいろいろ書き込んでますので、
お持ちだったらチェックしてください。
by sowhat (2010-03-22 23:19) 

あい

こんにちは。
いつも楽しく拝見させていただいています!
sowhatさんのこの記事が以前からずっと気になっていて 気がついたら休みの度に Hotel California が家でかかってます。
US盤初版はなかなか価格が高くてまだ入手出来ませんが 6E盤
大切に聴いています。歴史的名盤とは知ってましたが なかなかアルバム通して聴くのがだるくて。もっと早くに聴いておくべきだったと反省しています。
我が家ではこのジャケットがダイニングに飾ってあって 私だけの自己満足です(笑)
by あい (2011-11-13 14:58) 

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