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Good Evening New York City [Paul McCartney]

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これも買おうかどうか、ずっと迷っていたひとつ。「またライブ」だし、選曲に新鮮さは無いし。私にとって意味の無いCDの分、割高だし。遅からずBDが出るだろうし…。


グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ‾ベスト・ヒッツ・ライヴ デラックスエディション

グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ‾ベスト・ヒッツ・ライヴ デラックスエディション

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2009/12/02
  • メディア: CD


でも「限定」には弱いですよね。デラックス版はもう手に入らなさそうです。

そんな状況でデラックス版を見てしまうと、私、呆気なくイチコロでした。
2980円だったら買うしかない、のか!


相場より1000円くらい安いんですよね。在庫処分だったのでしょうか?通常盤(CD×2、DVD×1)が2580円なんですから、DVD分はたったの400円、この値段だったら買うしかないですよねぇ?

いくつかの新曲、初めての「Day Tripper」「Mrs. Vandebilt」が聴き所かなぁと思って観始めたんですが…、

曲が進む毎にだんだん惹き付けられてしまうのは何なのでしょうか?

何度も何度も何度も観て聴いてきた曲なんですが、新たな感動があるんですよね。やっぱり曲がいいからでしょうか。編曲が大きく違う訳でもなし、演出も同じようなものですが、これが「円熟味」なのでしょうか、とにかくのめり込みます。んんん、やっぱりミーハーだからか(笑)。

演奏はもう慣れたもので正に円熟。怖いもの無し。でもPaulの声は着実に歳を重ねています。センターCHは、お約束の生歌。これを聴くのはかなり辛いものがあります。「Let It Be」は特に辛そうです。でも全体として聴けば巧くまとまっているところがプロの仕事。最高傑作!とはいえませんが、2009年のPaulが確実に存在しているのです。

これでライブ映像としては7本目。7本全部で歌われる曲も多い。カラヤンはチャイコフスキーの「悲愴」を公式に7回レコーディングしているんですが、これと同じなのか!

クラシックが今日まで愛され続けているのは、次々に演奏され、レコーディングされ、新しい解釈が継続して提示されているから。Paulは「2009年の解釈」を聴かせているのか! 同時にThe Beatlesの継承者の一人として「2009年のThe Beatles」を残したいのだろう。

ロックの未来って音源は残るとしても、別の演奏、新しいレコーディングは想像しにくい。リミックスさえ許さない傾向があるし。これから10年、20年、そして100年、未来に伝えて行くには「新しさ」は絶対に必要だと思いませんか?

The Beatlesの全213曲、もう新しいレコーディングは出てきません。リマスターでおしまい。だからPaulは今日の、2009年のThe Beatlesを残そうとしているような気がします。

生き残る方法として重要なのは、5.1ch。やっぱりこれだと思うんです。2009年の音楽として解釈を変えないと生き残ることはできないと思います。だからKing Crimsonの5.1chは、確実に未来に残る仕事なのです。

カラヤンの音楽活動は音楽メディアの発展と完全に一致し、共に発展し、普及に大きな影響を残しています。SPに始まり、LPで長時間の録音、ステレオで再録音、そして自らも推進したCDで再録音。過去の「古い録音」に決して妥協せず、常に前向きだった結果が「悲愴」7回の録音という結果になっています。世間の評価は必ずしも最新録音ではありませんが、カラヤン本人は探求を止めなかったようです。

最後はデジタル音声のLD。これがカラヤンの時代の最高点でした。もし存命ならば、間違いなく「7.1chサラウンドのBD」を選ぶことに間違いありません。
だからこそ弟子の小澤征爾が、同じ「悲愴」でこのフォーマットを発売したことは大きな意義があります。天国でカラヤンは悔しがっていることでしょう。

NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル 「悲愴」 2008年ベルリン公演 [Blu-ray]

NHKクラシカル 小澤征爾 ベルリン・フィル 「悲愴」 2008年ベルリン公演 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NHKエンタープライズ
  • メディア: Blu-ray


果たして、これからのPaul。「次」は何を実行するのでしょう?

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余談ですが、カラヤンはCDが製品化された時,多くの曲をデジタルで録音し直してCDを出そうと考えていたようで、アナログテープ録音作品をCDにすることは出来ないと勘違いしていたのではないか、という話があります。これはモノからステレオに進んだ時、積極的にステレオ録音を行った経験があったからでしょう。カラヤンの作品にモノ、ステレオ、そしてデジタル録音と3種類あるのが多いのは、彼の意欲の表れでしょう。もちろん、レコード会社、オーケストラの違いも無視できませんけど。

私が大好きな「惑星」。カラヤンは1961年にステレオLP(DECCA/ウィーン・フィル)、1981年にデジタル(グラモフォン/ベルリン・フィル)と2回録音しています。評価は分かれているようですが、20年を経た二つが存在していることが重要であり、嬉しいことです。ほんとうにどっちもどっちで、選ぶのは迷います。私の場合、気分で変わってしまいます。でも子供の頃からLPで聴いてきた回数が多い1961年の方が、ちょっと好きです。

ホルスト:組曲「惑星」

ホルスト:組曲「惑星」

  • アーティスト: ホルスト,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2008/10/08
  • メディア: CD



ホルスト:組曲「惑星」

ホルスト:組曲「惑星」

  • アーティスト: ホルスト,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2007/09/05
  • メディア: CD


タグ:Paul McCartney
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HIKKY

あ、買っちゃいましたね、やっぱり
sowhatさんの、今のポールに対する解釈、
賛同いたします
by HIKKY (2009-12-18 22:54) 

sowhat

誘惑には勝てませんでした。完敗です。
聴いて観て気付いたこと。Paulは徹底的にオリジナルにこだわっています。
オリジナルをオリジナルとして極めようとしているかのようでした。
by sowhat (2009-12-19 01:44) 

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