中山康樹「ビートルズとアメリカ・ロック史—フォーク・ロックの時代」 [本]
書店にあったので立ち読みしたところ、「American Pie」からお話がスタート。何となく嬉しくなって買ってしまいました。
非常に視点が新鮮で、私の中でバラバラだった情報がきれいに整理されました。
お話は「American Pie」から、つまり「音楽が消えた日」である1959年2月3日の飛行機事故から始まり、曲の解説が詳しく述べられます。これはまだまだ序章です。
メインは「フォーク・ロック」の誕生から終息までで、理路整然と情報が時系列に並べられ、さまざまなアーティストの活動がどのように関連していたのか、すっきりと分かります。
Bob Dylan、The Beatles、もちろんThe Byrds、S&G、The Mamas & the Papasらの当人たちと周囲で起こった出来事が非常に詳しく書かれています。正直なところ、これらのアーティストはヒット曲は知っているものの、すべて後追いで聴いているので感覚のズレもあり、アルバムを聴き込むまでではありません。
関わり合いが半端ではなかったんですね。偶然も多い。知らなかった音楽情報が満載でした。
いちばんビックリしたのはThe Mamas & the Papas「California Dreaminng」の真実。別の録音で使ったもののヴォーカルをそっくり入れ替えたもの。間奏のフルートはハーモニカから差し替え。仕掛人はプロデューサーLou Adler。犠牲になったのは「明日なき世界(Eve of Destruction)」の大ヒットを持つBarry McGuire。本人の知らないところで傑作が出来上がったんですね。S&Gの「Sound Of Silence」のTom Wilsonが行った追加録音といい、フォーク・ロックの代表曲の成り立ちはおもしろいものです。
Dylanが「Mr. Tambourine Man」を初めて録音したのが1964年6月9日。「フォーク・ロック」が幕引きとなるMonterey Pop Festivalが開催されたのが1967年6月16〜18日。その間、3年間。
全盛期はThe Byrdsが「Mr. Tambourine Man」を発売した1965年4月から、S&G「Sound Of Silence」が全米一位になる1966年1月を経て、Donovanが「Sunshine Superman」がヒットする1966年9月までの1年半位しかなかったんですね。その次に来るのが「サマー・オブ・ラヴ」。まるで「大河ドラマ」を観るようなハプニングと複雑な人間関係がとにかくすばらしい。
それにしてもThe Beatlesの影響は計り知れないですね。UK盤と内容が違っていたUS盤「Rubber Soul」(1966年12月6日発売)は日本では嫌われていますが、こうもピッタリ「フォーク・ロック」にハマっていたのは偶然の産物としかいえません。すっかり見直してしまいました。これを狙ってCapitolが選曲したのであれば、もっと凄いことですが。
とても読み応えのある一冊でした。
中山康樹氏のビートルズ観には賛否両論あるようですが、
私も彼の著書は愛読してます
「Rubber Soul」のUS盤、ジャケのアーシーな色合いから見ても、
(UK盤はむしろサイケっぽい色合い)
あえてフォーク・ロックを意識した選曲だった、
と私も思います
by HIKKY (2009-10-30 23:30)
HIKKYさん
ご訪問ありがとうございました。
「Rubber Soul」の文字の色の違い、ご指摘の通りですね。
King Crimsonの5.1ch、2chなんてバカバカしくなる別世界です。
ぜひ楽しんでください。
by sowhat (2009-10-31 00:34)
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by POP SPACE 音楽情報 画像 動画 (2009-12-03 16:44)