NHK 佐野元春「ザ・ソングライターズ」

先月からNHK教育で放送されている、日本人ソングライターの「歌詞」の本質を探る番組です。私は佐野元春をほとんど聴いていないのですが、彼の進行は素晴らしく、曲作りの取り組み方とか秘訣とかを巧みに引き出して行きます。

小田和正、さだまさしと続いて昨日は松本隆。最初の二人は作曲も兼ねますが、松本隆は作詞専門で、これまでとはちょっと内容も違っていました。ノウハウは教えない、というのが潔かったですね。
彼の代表作の一つに松田聖子の作品群があります。私、松田聖子は好きではないのですが、彼女のシングルは大好きで、歌手の好き嫌いと関係なく、曲自体の良さでシングルだけを買い続けていました。

番組で興味深かったのが、そのシングルのマジ度。A面の完成度はもちろん、B面も手を抜かなかったということが明らかになりました。そうなんですよね、松田聖子のB面にはいい曲が多いのです。よい例が「Sweet Memories」。A面「ガラスの林檎」のB面曲ですがCM効果も大きくAB面を入れ替えて再発売。立派なスタンダード曲となりました。両A面と言ってもいい、偉大なカップリングです。この気合いの入れ方が、百恵ちゃんの阿木ー宇崎ライン、Pink Ladyの阿久ー都倉ラインとちょっと違っていた所。

シングル重要主義はThe Beatlesが徹底していましたが、70年代はアルバム重視へ変化しました。でも私の場合はシングル重視がずっと続いています。邦楽のシングル重視は今でも変わっていないですね。

この番組で一つ疑問が解決したのが「ハートのイヤリング」の作曲者のこと。「呉田軽穂」同様、Holland Roseは誰かの別名だろうとは思っていましたが、当時は知りませんでした。何と司会者本人、佐野元春だったんですね。
レコーディングの裏話として、松田聖子はほとんどの曲は全くの初見で歌入れをしたそうです。曲の完成がギリギリだったことも理由の一つですが、練習を３回、本番で３回でほぼ終わり。歌唱力はさすがです。



さて、私のとっての最強シングル。両面とも名曲の三枚です。
●The Beatles　Strawberry Fields Forever/Penny Lane
●Todd Rundgren　Dream Goes On Forever/Heavy Metal Kids
●CHAR　Navy Blue/Shinin' You, Shinin' Day