５人目のLed Zeppelin

Led Zeppelinの紙ジャケットSHM-CD発売のニュースを知った頃、ちょうどこの本を読んでいる途中でした。

ピーターグラント 5人目のレッドツェッペリン もうひとりのツェッペリン

• 作者: クリス・ウェルチ
• 出版社/メーカー: シンコーミュージック
• 発売日: 2008/03/27
• メディア: 単行本

名物マネージャーとして様々な話題を提供していたPeter Grantの伝記で、つまりLed Zeppelinのサクセスストーリーでもあります。メンバーが直接語ることがないのでこれまでに知ることがなかった裏の話や出来事の真実など、非常に興味深い内容が満載です。Led Zeppelinのファンはもちろん、ブリティッシュロックが好きな人にも興味を引く、60年後半から70年代のイギリス音楽裏事情がドンドン出てきます。無関係と思われていたアーティストに意外な関係があったなど、当時の音楽業界が非常に狭い世界だったことが分かります。

詳しい内容は読んでからのお楽しみにしますが、一つだけ紹介すると、Peterの先輩にあたるMickey Mostとの関係は意外でした。Mostがマネージメントを始める前はPeterといっしょにライブハウスで店員として働いていたこと、YardbirdsをPeterに任せた後もずっと同じオフィスでデスクを向かい合わせで仕事をしていたこと、その関係はPeterの死まで太い絆で結ばれていたことなどです。Jeff Beck『Truth』の本当のプロデューサーはMostではなかったことも語られています。

Led Zeppelinには、グループ名の由来、Atlanticとの契約の経緯、1stは『Truth』を参考にしたのか、イギリスでシングルを発売しなかった理由、映画『The Song Remains The Same』の完成までの混乱などいろいろな謎がありますが、それらの真実が明らかにされています。

難点は日本語訳。説明とコメントの区別が曖昧で非常に読みにくいのです。読んでいてこのコメントは誰？と混乱させられてばかりでした。様式を原文に合わせたような気もしますが、段落を分けて分かりやすくして欲しかったと思いました。