OST『Jaws』CD-4

長い間レコードやCDを買ってきましたが、ここ10年くらいは中古レコード店に行っても欲しくなるものが皆無に近くなってしまいました。欲しいものはほぼ手に入っていることが最大の理由ですが、いわゆる掘出し物に出会うことがなくなってしまったのです。思いがけず見つけたものが相場よりも安かった時の感動は、ディスクを集める者に取ってこれ以上ない至福の瞬間です。これを味わいたくて各地の中古店を回るのですが、最近はくたびれ儲けばかりで、何の成果もなく、お付き合いで買う程のモノさえなくお店を出ることばかりです。それでも欲しいモノ、探しているモノが全くない訳ではないので、旅先で時間があればお店を見つけては掘出し物を探したくなる、この習性は簡単には変わりそうにありません。

それは何故か、20件に1回くらい、掘出し物が見つかるからなんですね、年に１回か2回(笑)。

先日見つけたのがこの『Jaws』の4ch。やっと、やっと見つかりました。

意外にありそうだと思っていたのですが、探してみるとなかなか見つからないし、オークションに出たのに気づくのが遅かったりでどうしても手に入らない、私にとっては最大の目標の一つだったモノです。

お値段、￥315。帯の状態は悪いですが、見た目の盤質は上々でこの値段の素晴らしさに感動するのは私くらいです。掘出し物が見つかる時というのは概してこんなものです。だから止められませんね。

早速聴いてみましたが実際の盤質も極上で、ノイズの多いCD-4ですがノイズはほとんどなく、有名な「テーマ曲」がやっと4chで聴くことができました。サラウンドのバランスもよくフロントとリアの定位も絶妙で、ストリングスの醸し出す恐怖感は迫力満点です。編成は小規模なオーケストラですが、クラシックの様式・配置とは異なる配置で定位されているので非常に斬新なサラウンドです。さらに発見だったのは、映画に関係なく音楽作品として聴いても完成度が高く、現代音楽としても十分評価できる内容です。John Williamsはしっかりと仕事をしていました。これが￥315とは、やはり奇跡です！

まだ数枚、欲しいCD-4のサントラLPが残っているので中古盤漁りをまだまだ終わらせることはできそうにありません。